意識の低い中国

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最近のお仕事はこんな感じです。
暗黒QR探しと三和ゴッド探しで行った広東省、楽しかったなあ。


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昨今の仕事

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SAPIO8月号の雄安新区レポ。


文春オンラインで香港返還20週年。


上記に関連して、クーリエ・ジャポンに劉暁波死去関連で急ぎの寄稿と、『FRIDAY』(講談社)にコメント。


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ほか、クーリエの通常連載は劉邦の故郷の話。


JBプレスのほうではこんなの↓書いたら結構バズりました。


ほかに7月15日にTBSラジオ。


こちらで聞けます。


最近の仕事はこんな感じです。


中国の経営者とか広東省のスラムとか立命館とか

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近日、『現代中国経営者列伝』著者の高口康太氏との対談記事をJBPressに前後編で寄稿。昨年9月の拙著『野心 郭台銘伝』の話をからめつつ。



本書は著名な中国大企業の創業者について創業年代順に8人紹介しているわけなのだが、ゆえにその顔ぶれは、アリババの馬雲(ジャック・マー)やシャオミの雷軍みたいな比較的近年のスタイリッシュ系IT社長と、文革や天安門の匂いを残した泥臭いおっさん系メーカー社長に分かれており、言うまでもなく泥おっさんの人生の方がよりいっそう面白い。

小学校の購買のおっさんから成り上がったワハハの宗慶後、職場で大小便を垂れ流すほどグダグダの社会主義的労働者しかいないボロ町工場に送り込まれた小役人出身であるハイアールの張瑞敏あたりの話は、もう最高である。言うまでもなく台湾・鴻海の郭台銘(テリー・ゴウ)も、この泥臭いおっさん中華社長の系譜に属する。

そこで、ちょっと興味を持って、鴻海(フォックスコン)の中国最大の製造拠点がある広東省深圳市龍華新区の百度貼吧の投稿を見ていたら、なんだかものすごくワクワクするカオスな世界が広がっていて楽しくなってしまった。ここは中国有数の殺伐シティ。住民たちのうち、日雇い労働で毎日を刹那的に生きている人たちは「三和大神」と中国のネット上で言い慣らわされており、すでに現地だけではなく広く知られつつある。

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画像・スクショはすべて『百度貼吧』「日结一天,阔以玩三天,三和大神们聚集啦」より


21世紀のイノベーション都市深圳などというカッコいい言葉を吹き飛ばす、限りなく意識の低い世界。

あんまり面白いので、次にどこかに寄稿する原稿はこの三和大神の話にしようかと思っている。龍華にかぎらず広東省の城中村は面白いのだ。アフリカ人だらけの広州の小北とか。


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ちょっと前だが、無記名ながら『週刊プレイボーイ』No.22「”本”人襲撃」欄にて辻田真佐憲さん『文部省の研究』の著者インタビューを担当して寄稿している。紙面の左端に、さりげなく『だまされないための「韓国」』の新刊紹介が入っていたのが嬉しい(こちらの新刊紹介は私が書いたわけではない)。

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インタビュー時点では森友学園問題が熱かったけれど、現在は加計学園問題も熱くなり、文科省の前事務次官が歌舞伎町の風俗に行ってましたなどという知りたくもない話が大新聞にガンガン出ちゃうほど、いまどきの文科省(文部省)はホットである。

書籍が時宜を得るとはこういうことか。


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5月19日、母校の立命館大学に呼ばれて文学部90週年記念「人文学特殊講義 作家・制作者と語る現代表現論」第6回ゲストでお話してくる。

講義後の感想レポートを読んでいると、しっかりした内容が多くて驚いた。受講態度もよく、大教室なのに途中からドタドタ入ってくる学生もいないし、寝る、私語する、なんか食う……という人も誰もいない。

ほんまに母校かここは。いまどきの学生、わしらのときよりもえらい賢うなっとるやんけ。

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ちなみに上記講義の前日夕方、自分がOBである東洋史研究会(学術系サークル)の主催でちいさな講演会をやらせてもらっている。こちらの参加者は十数人程度で、中国オタクや歴史オタクや中国人留学生が中心。

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ところが、ちょっと気になることが。聴衆に一人、話の最初から最後まで携帯をいじるか突っ伏すかしていて内容にまったく興味を示さず、開始後1時間すこし経って質疑応答が半分くらい終わったところでいきなり帰っていった黒い服の中国人(大学院生だという)が混じっていた。

ちなみに講演中に話の中休みを取ったときは、彼はいったん外に出ていき、また戻ってきている。単位がもらえるわけでもないし、興味がなければ開始10分で帰ってもなにも差し支えないような集まりなのに、なんとも不思議な行動だ。

ちょっと引っかかったので、数日後に仲のいい中国人の後輩に見解を聞いたら「中国人留学生会の人間がもぐっていて、内容を大使館に報告しているんでしょうねー」と案の定の話。中休みでいったん外へ出たのは、最後まで観察したうえで内容の報告をおこなうべきか確認しに行っていたのかもしれない。

中国大使館、いちサークルが主催のしょぼい講演会までチェックするとはなかなか勤勉である。数日前のツイッターの投稿と、講義棟やサークル棟の掲示物コーナーに貼られたサークルのビラくらいしか、このイベントの開催情報を得る手段はないはずなのだが。


こういう話が出るのもうなずけるところではある。

近日寄稿と韓国本出版のお知らせ

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近頃はこんなのを。

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中国人金持ちマダムのド迫力日本旅行・密着日記 (文春オンライン)
 
こちらは日本滞在中に取材対象者たちが使った金額がすごいという話ではなく、中国人個人旅行客にべったりくっついて、インバウンドの当事者の目からわが東京を眺めるとこんなふうに見えて、こんな部分が面白かったんですよという話であった。

ほか、取材を通じて感じたのは

・「桜が見たい」だけで衝動的にチケット押さえて日本に来る
・消費の多くは代理購入ではなく衝動買い
・服なり化粧品なり、気に入ったらまるごと全品買いする
・記事に登場する本人はこの手の旅行を1~数ヶ月に1度のペースでガンガンやっている

と、今回の彼女らの訪日旅行の背景に横たわるテクスト全体のリッチ感というか、刹那的なバブリー感がなかなか見ものだったと思う。


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外国人は我慢しろと?「鎖国」が進む中国社会 (JBプレス)

4月下旬にある雑誌の取材で北京・河北省方面に出張した際に、むかついて書いた原稿。ほんとに腹が立つわけですよ。しかも、記事中の状況はここ数年で一気に数レベル上がって進行した感がある。

昨年、中国国内を逃亡し続けた民主活動家の手記『暗黒・中国からの脱出』(文春新書)を刊行したのだが、著者の顔伯鈞の逃亡を可能ならしめたのは、巨大な中国社会の末端における管理のユルさだった。

だが、生活上の極めて高い利便性と引き換えにした人民のデジタル管理が進んでいくことで、従来のユルさは消えつつある。仮に顔伯鈞の逃亡がいまから数年後に発生していたとすれば、彼は逃げ切れなかったかもしれない。

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韓国大統領戦前夜の5月9日刊行で、以下のような本が出る。



本書はいちおうAmazonのデータ上では私も著者になっているのだが、実際は現代韓国政治学者の浅羽祐樹さんと木村幹さんの対談本だ。私は司会進行と、原稿の編集・整理を担当している。

朴槿恵の失脚を導いた韓国社会の内在論理、例の少女像設置問題に象徴される慰安婦問題の解決策、次期大統領就任の可能性が高い文在寅の政策の方向性、北朝鮮との関わり……といったナウな話がぎっしり詰まっていて(おかげで3月は原稿をまとめながら知恵熱が出たのだけれど)とても値打ちモノの一冊となっています。

どうぞ、お買上げを。


カンボジアでブイブイいわせすぎている中国

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昨年末、いろいろあってカンボジアに2回行くことになった(詳しくは2月5日売りの『SAPIO』3月号にも寄稿している)。今回はその際に見聞きした現地事情を紹介しておきしたい。

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上記のように、郊外の遺跡でドローン飛ばして空撮をやって、現地の良い子のヒーローになっていたオーストラリアのジャーナリストを見つけたときもビビったのだが、それ以上にプノンペン市内で驚かされたのが、中国のあまりの存在感の大きさだった。


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プノンペン国際空港からプノンペンSEZ(経済特区)に向かう途中の道路には簡体字の看板や中国系商店・ホテル・レストランが大量に立ち並ぶ。いちおう、カンボジアの法律では外国語の看板を出す際はクメール語の併記が義務付けられているらしいのだが、あまり守られていない(もっとも、カンボジアの社会はまともにすべての法律を守るほうが難しいくらいだが)。

ある商店に入って中国のスポーツドリンク「脈動」を買ってみたところ、店主一家は湖南省から来ていた。後述のように中国はカンボジアにインフラ整備関係で多額の援助をおこなっており、それにともなって本国からやってくる中国人労働者向けに店を出しているように見えた。

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なかでも、プノンペン市内南東部のKoh pich (ダイヤモンド・アイランド)地区は街全体が中国系企業(カンボジア華僑資本や台湾・シンガポールなどの企業も進出している)によって開発されている「中国島」だ。

島内には、一昔前(胡錦涛時代)に中国の地方都市に多く建設された、かの国特有の安っぽいけれどド派手な建築様式の政府庁舎を思わせるシティホールや、ほぼ中国人観光客専用と思われるインチキ欧州風のショッピングモールもあり、なにやらカンボジアではなく雲南省あたりの地方都市に来たような、微妙な気分にさせられる。

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金の袋をかかえたうさぎ。かわいくない。

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シティホールの前に据えられた中国製の謎のイルカ。やはりかわいくない。

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あ、これ雲南省とかでよくみるやつだ。
 
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ガイドに連れてこられた中国人専用ショッピングモールのなかで宝石にむらがる人たち。


ほか、Koh pich地区ではシンガポールの名物高級ホテル、マリーナ・ベイ・サウンズを模した巨大ホテルや、パリの凱旋門を模したオブジェなど、バブリーな建築物の建造工事が着々と進行中である。大量の高層マンションと数百軒ともいわれる欧風別荘も建築が進んでいて、現地の情報によれば中国国内で中国国内で派手な投資ができなくなった中国人富裕層の人々が次々と不動産の「爆買い」に訪れているという。

島内の案内看板は、クメール語と英語と中国語の三か国語。中国語表記は簡体字なので、中国大陸からの影響が強いようだ。


◆◆

データを見ても、カンボジア経済における中国の存在感は明らかだ。2015年、中国によるカンボジアへの投資額は2億4100万ドルで、各国シェア1位の30.7%を占めた(ちなみに日本は3900万ドルで5%、シェア7位。数年前までシェアは1%代だった)。

援助の分野でも差がついている。日本は従来、カンボジアの最大の援助国で、同国への各国別援助額の20%程度を常に拠出してきたが、ゼロ年代後半から中国の援助額が一気に伸びはじめ、2010年にはついに日本を逆転した。現在、中国による対カンボジア援助額は日本の数倍に達し、いまやカンボジアは「国家予算全体の5%くらい」(JICA関係者談)の資金を中国に頼るに至っている。

プノンペン市の北東、トンレサップ川に、1994年に日本の援助で建設された「日本カンボジア友好橋」という橋がある(余談ながらこれは2代目で、1966年に架けられた初代は内戦時にクメール・ルージュによって爆破されている)。だが近年になり、これと並行する形で、中国が「中国カンボジア友好橋」を建設してしまった。

ほか、2023年にプノンペンで開催予定の東南アジア競技大会(SEA Games) の競技場も、中国が多額の借款を提供して建設を決定。あちこちの道だの橋だの公共施設だのもばりばり作っている。

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市内で中国企業が建設中のビル。めくれ上がったカンボジア国旗が悲しい。
 
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その工事現場の下で、中国人用のHなお店の広告を見つけた。おいおいなにやってんだ。 


◆◆

カンボジアへの投資額や援助額で日中格差がついていること自体は、仕方ない部分もある。

そもそもカンボジアは、プノンペンSEZのような経済特区を除けば賄賂なしでは(事実上)ビジネスが困難な国だ。コンプライアンスを真面目に守る先進国の企業が、悪事に手を染めてまで進出することはデメリットも大きい。実際、この国では日本のみならず欧米企業もおおむね苦戦しており、中国・韓国・台湾・マレーシアあたりの、その気になればエグい手も取れる国の企業の独壇場となっている。

また援助にしても、国の財政難のなかで日本のODA予算の全体額は縮小を続けている。

金額のボリュームで他国と競うより、人材育成や技術供与のようなソフト面で日本らしい支援をやったほうがいい、というのも現今の日本の状況に照らして考えれば悪くない方針だ。対外援助の本来の理念に照らしても、金額面で中国に抜かれることはあながち嘆くべき話でとも言い切れない。

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……ただし、やはり懸念せざるを得ないのはこうした中国の存在感が、政治に与えていく影響だろう。

カンボジアは"いちおう"民主主義国家なのだが、人民党のフンセン首相が30年近くにわたり権力を握り続けている。中国の莫大な投資と援助による利益や、それに伴う莫大な不透明資金は、フンセン・ファミリーをはじめとする権力層に思い切り流れ込んでいるとされる。

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中国から借款
中国企業が道路や橋や行政機関のハコモノを建設
建設費用の数分の一~半分くらいが賄賂的なカネに変わる
中国は政治・経済的影響力を増し、カンボジアの政治家はポケットが潤ってwin-win
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思い切り簡単に説明すすらな、こういう構図がある。地元のカンボジア人から「フンセンは中国から国に借金をさせて、そのカネをポケットに入れている」と陰口を叩かれるゆえんだ。

カンボジア国民の対日感情はかなり良好だが、政府は中国が大好きである(もっとも、多くの国における「親中」と「親日」は、白黒のどちらか一方をビックリマンシールのように貼ったり貼り返したりするものではなく、濃度の可変こそあれ並存するものなのだが)。


昨年に大きな話題になった南シナ海の件でも、カンボジア政府は中国に忠誠を尽くした。あまりソースが確かな話でもないのだが、この際に日本の大使館関係者がフンセン首相に「中国支持をやめてもらえませんか」と要請する一幕もあったそうだが、フンセンは言下に断ったという話もある。

今後、仮に東シナ海において中国が日本への侵略的な軍事行動を起こした場合も、カンボジア政府はほぼ間違いなく中国を支持するだろう。

日本は1990年代、内戦後間もないカンボジア情勢の安定のために自衛隊のPKO派遣をおこない、明石康氏を代表としたUNTAC(国際連合カンボジア暫定統治機構)にも主体的にかかわってきた(当時、日本人文民警官の殉職事件も起きている)。

現在もなお、日本はカンボジアに対して円借款・無償資金協力・技術協力を合わせて毎年100〜数百億円規模の経済援助をおこない続けてもいる。

だが、恒産なければ恒心なしという。カンボジアはいまだに貧しい国で、手っ取り早くお金をもらえる方になびくのは仕方ない部分もあり、彼らの「心変わり」を責めるのはやや酷な話でもある。

とはいえ、なんとも切ない気持ちにさせられるのが昨今の情勢への感想だ。


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 上記はメルマガの記事の一部を改稿・再編集したものです。


 

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